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2011年4月30日 (土)

福島の子どもたちが心配です・・・。

4月19日、文部科学省は、学校等の校舎・校庭等の利用判断における放射線量の目安として、年20ミリシーベルトという基準を、福島県教育委員会や関係機関に通知しました。

この年20ミリシーベルトは、屋外で3.8マイクロシーベルト/時に相当するもので、3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」(0.6マイクロシーベルト/時以上)の約6倍に相当する線量にあたるといいます。これはドイツの原発労働者と同様の被爆限度基準を子どもたちの基準として設定したことになります。

はたして、福島の子どもたちは大丈夫なのでしょうか?
これに関する新聞やHP・ブログなどを拾ってみました。
(長くなりますが、いずれ消されてしまうものもあるかと思いますので、全文を転載しておきます)

【河北新報2011/4/21】
保護者恐る恐るの日々 福島13校屋外活動制限

 「恐る恐るの日々が続く」。国が示した学校などの放射線量の基準値により、福島、郡山、伊達3市の小中学校や幼稚園など13校で、屋外活動が制限されることになった。放射線量が比較的高い福島県北地方の保護者や教師らに20日、落胆と懸念が広がった。
 屋外活動が制限される放射線量は毎時3.8マイクロシーベルト以上。4.3マイクロシーベルトと基準を上回った福島市の三育幼稚園の菅野久美子園長(58)は「心が曇った」と落胆した様子。
 既に外遊びは中止し、遠足の取りやめも決めていたという。「園児や保護者の不安を解消できるよう努力したい。今後、基準値を下回っても、恐る恐るの日々が続くだろう」と見えない放射線と向き合うつらさを語る。
 同園に息子の響ちゃん(5)を通わせる福島市のパート菅原あずささん(32)は「線量が一番高い時は何も指示がなかったのに今更、基準値を示されても…」と行政の対応の遅さに憤る。
 響ちゃんは外遊びの禁止がストレスになり、夜中に起きるようになったという。菅原さんは「外で遊んでいろいろ吸収できないのは心配。今後も続けばプールに入れないし、運動会もない。体力面で他の子と差がつくのではないか」と不安を募らせる。
 福島市御山小の尾下峰夫校長(58)は「基準値が示され、屋外活動の範囲も明確になった。学校生活の今後が見えてきた」と評価。同校の測定値は4.3マイクロシーベルトで、屋外活動が1時間以内に収まるよう時間割を作り直す。
 尾下校長は「子どもを守るのが一番の仕事。何がベストか分からないので、手探りでやるしかない。慎重に対応していく」と言う。
 基準を下回った学校でも不安は残る。3.5マイクロシーベルトだった同市岡山小は屋外活動の自粛を続ける。伊藤一美教頭(50)は「下回ったとはいえ、安心できない。近隣の学校の線量が高いので、子どもの安全を考えて判断した」と説明した。
 基準の3.8マイクロシーベルトは、児童らの年間の積算放射線量が20ミリシーベルトに達するかどうかを目安に算定された。根拠は国際放射線防護委員会が「非常事態収束後の一般公衆レベル」とする1~20ミリシーベルトで、その上限を採った形だ。
 しかし市民団体「原発震災復興・福島会議」の世話人を務める川俣町のNPO法人代表の佐藤幸子さん(52)は「通常時の一般人の許容限度は年間1ミリシーベルト。今回の基準は甘すぎる」と疑問を向ける。
 「一般人が立ち入り制限になる放射線管理区域の基準に相当する毎時0.6マイクロシーベルト以上の学校は、授業を中止して学童疎開を進めるべきだ」と強調する。

【日弁連会長声明2011/4/22】
「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」に関する会長声明

4月19日、政府は「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を発表し、これを踏まえて、文部科学省は、福島県教育委員会等に同名の通知を発出した。これによると「児童生徒等が学校等に通える地域においては、非常事態収束後の参考レベルの1~20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安と」するとされており、従前の一般公衆の被ばく基準量(年間1mSv)を最大20倍まで許容するというものとなっている。その根拠について、文部科学省は「安全と学業継続という社会的便益の両立を考えて判断した」と説明している。

しかしながら、この考え方には以下に述べるような問題点がある。

第1に、低線量被ばくであっても将来病気を発症する可能性があることから、放射線被ばくはできるだけ避けるべきであることは当然のことである。とりわけ、政府が根拠とする国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)は成人から子どもまでを含んだ被ばく線量を前提としているが、多くの研究者により成人よりも子どもの方が放射線の影響を受けやすいとの報告がなされていることや放射線の長期的(確率的)影響をより大きく受けるのが子どもであることにかんがみると、子どもが被ばくすることはできる限り避けるべきである。

第2に、文部科学省は、電離放射線障害防止規則3条1項1号において、「外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3 ミリシーベルトを超えるおそれのある区域」を管理区域とし、同条4項で必要のある者以外の者の管理区域への立ち入りを禁じている。3月あたり1.3mSvは1年当たり5.2mSv であり、今回の基準は、これをはるかに超える被ばくを許容することを意味する。しかも、同規則が前提にしているのは事業において放射線を利用する場合であって、ある程度の被ばく管理が可能な場面を想定しているところ、現在のような災害時においては天候条件等によって予期しない被ばくの可能性があることを十分に考慮しなければならない。

第3に、そもそも、従前の基準(公衆については年間1mSv)は、様々な社会的・経済的要因を勘案して、まさに「安全」と「社会的便益の両立を考えて判断」されていたものである。他の場所で教育を受けることが可能であるのに「汚染された学校で教育を受ける便益」と被ばくの危険を衡量することは適切ではない。この基準が、事故時にあたって、このように緩められることは、基準の策定の趣旨に照らして国民の安全を軽視するものであると言わざるを得ない。

第4に、この基準によれば、学校の校庭で体育など屋外活動をしたり、砂場で遊んだりすることも禁止されたり大きく制限されたりすることになる。しかしながら、そのような制限を受ける学校における教育は、そもそも、子どもたちの教育環境として適切なものといえるか根本的な疑問がある。

以上にかんがみ、当連合会は、文部科学省に対し、以下の対策を求める。

1 かかる通知を速やかに撤回し、福島県内の教育現場において速やかに複数の専門的機関による適切なモニタリング及び速やかな結果の開示を行うこと。

2 子どもについてはより低い基準値を定め、基準値を超える放射線量が検知された学校について、汚染された土壌の除去、除染、客土などを早期に行うこと、あるいは速やかに基準値以下の地域の学校における教育を受けられるようにすること。

3 基準値を超える放射線量が検知された学校の子どもたちが他地域において教育を受けざるを得なくなった際には、可能な限り親やコミュニティと切り離されないように配慮し、近隣の学校への受け入れ、スクールバス等による通学手段の確保、仮設校舎の建設などの対策を講じること。

4 やむを得ず親やコミュニティと離れて暮らさざるを得ない子どもについては、受け入れ場所の確保はもちろんのこと、被災によるショックと親元を離れて暮らす不安等を受けとめるだけの体制や人材の確保を行うこと。

5 他の地域で子どもたちがいわれなき差別を受けず、適切な教育を受けることができる体制を整備すること。

2011年(平成23年)4月22日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児

【郡山市HP】
郡山市立薫小学校の校庭の表土を除去しました

 4月27日、福島第1原発事故による放射能対策として、郡山市立薫小学校の校庭と鶴見坦保育所の庭で、表土を除去する作業を行いました。
 薫小学校は、4月14日の文部科学省の調査で、地表から50センチの高さの放射線量が3.8マイクロシーベルト/時と、国の暫定基準(保育所・幼稚園・小学校は高さ50㎝、中学校は高さ1mの空間線量率が3.8マイクロシーベルト/時以上)を上回り、屋外での活動が制限されています。
 郡山市では、より安全面に考慮し、小・中学校については、1cmの高さで3.8マイクロシーベルト/時、保育所等については、幼い子どもがいることから、1cmの高さで3.0マイクロシーベルト/時と、独自の基準を設定しました。
 薫小学校では、午前9時前から放射能の測定を行い、散水車を使って砂ぼこりが上がるのを抑え、道路などを平らにする「グレーダー」など3種類の重機を使って、3センチほど表面の土を削りました。
 また、鶴見坦保育所では、庭に植えられていた芝生をはがす作業を行いました。
2011_4_30_2_2  作業後の測定の結果、次のとおり効果が確認されましたので、他の小・中学校や保育所などでも、連休にかけて作業を行う予定です。

「費用はかかっても子どもたちの安全には代えられません」と原市長。

【NHK「かぶん」ブログ2011/4/29】(NHK科学文化部のブログ)
官房参与が辞任・記者会見資料を全文掲載します

2011_4_30_3 東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応に当たるために、先月、内閣官房参与に任命された、原子力の専門家で東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が、記者会見し、「政府の対策は法にのっとっておらず、場当たり的だ」として、内閣官房参与を辞任することを明らかにしました。

記者会見で辞任の理由について説明した資料を全文掲載します。

*文中の下線は、原文のままです。

*もとの資料に誤字と思われる箇所が2か所あったので、小佐古氏に確認の上、訂正しました。
「福井県」 → 「福島県」 「勅命」 → 「直命」 の、2か所です。

(4月30日午前10時20分)

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平成23年4月29日

内閣官房参与の辞任にあたって
(辞意表明)

内閣官房参与

小佐古敏荘

 平成23年3月16日、私、小佐古敏荘は内閣官房参与に任ぜられ、原子力災害の収束に向けての活動を当日から開始いたしました。そして災害後、一ヶ月半以上が経過し、事態収束に向けての各種対策が講じられておりますので、4月30日付けで参与としての活動も一段落させて頂きたいと考え、本日、総理へ退任の報告を行ってきたところです。
 なお、この間の内閣官房参与としての活動は、報告書「福島第一発電所事故に対する対策について」にまとめました。これらは総理他、関係の皆様方にお届け致しました。

 私の任務は「総理に情報提供や助言」を行うことでありました。政府の行っている活動と重複することを避けるため、原子力災害対策本部、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、文部科学省他の活動を逐次レビューし、それらの活動の足りざる部分、不適当と考えられる部分があれば、それに対して情報を提供し、さらに提言という形で助言を行って参りました。
 特に、原子力災害対策は「原子力プラントに係わる部分」、「環境、放射線、住民に係わる部分」に分かれますので、私、小佐古は、主として「環境、放射線、住民に係わる部分」といった『放射線防護』を中心とした部分を中心にカバーして参りました。
 ただ、プラントの状況と環境・住民への影響は相互に関連しあっておりますので、原子炉システム工学および原子力安全工学の専門家とも連携しながら活動を続けて参りました。
 さらに、全体は官邸の判断、政治家の判断とも関連するので、福山哲郎内閣官房副長官、細野豪志総理補佐官、総理から直命を受けている空本誠喜衆議院議員とも連携して参りました。

 この間、特に対応が急を要する問題が多くあり、またプラント収束および環境影響・住民広報についての必要な対策が十分には講じられていなかったことから、3月16日、原子力災害対策本部および対策統合本部の支援のための「助言チーム(座長:空本誠喜衆議院議員)」を立ち上げていただきました。まとめた「提言」は、逐次迅速に、官邸および対策本部に提出しました。それらの一部は現実の対策として実現されました。
 ただ、まだ対策が講じられていない提言もあります。とりわけ、次に述べる、「法と正義に則り行われるべきこと」、「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」の点では考えていることがいくつもあります。今後、政府の対策の内のいくつかのものについては、迅速な見直しおよび正しい対策の実施がなされるよう望むところです。

1.原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい

 この1ヶ月半、様々な「提言」をしてまいりましたが、その中でも、とりわけ思いますのは、「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。

 しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせているように見えます。
 
 とりわけ原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるように見受けました。例えば、住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。また、公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。

 初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。

 また、文部科学省においても、放射線規制室および放射線審議会における判断と指示には法手順を軽視しているのではと思わせるものがあります。例えば、放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」ですが、この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40-50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。放射線審議会での決定事項をふまえないこの行政上の手続き無視は、根本からただす必要があります。500mSvより低いからいい等の理由から極めて短時間にメールで審議、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じます。重ねて、この種の何年も議論になった重要事項をその決定事項とは違う趣旨で、「妥当」と判断するのもおかしいと思います。放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、明らかにされるべきでありましょう。この点、強く進言いたします。

2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい

 緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。

 今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。

 また、今回の福島の原子力災害に関して国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪日し、4回の調査報告会等が行われているが、そのまとめの報告会開催の情報は、外務省から官邸に連絡が入っていなかった。まさにこれは、国際関係軽視、IAEA軽視ではなかったかと思います。また核物質計量管理、核査察や核物質防護の観点からもIAEAと今回の事故に際して早期から、連携強化を図る必要があるが、これについて、その時点では官邸および行政機関は気付いておらず、原子力外交の機能不全ともいえる。国際常識ある原子力安全行政の復活を強く求めるものである。

以上

※このブログには多数のコメントが付いていますので、ぜひお読みいただきたいと思います。

【NHK「かぶん」ブログ2011/4/29】(NHK科学文化部のブログ)

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